【EU】融資借り換えに1,600億ユーロ必要か＝商業不動産価値下落で

　

　商業不動産価値の下落のため、欧州の各銀行が商業不動産融資の借り換えに必要とする資金は、向こう2年間に最大1,560億ユーロとなるもようだ。ブルームバーグが29日に英不動産コンサルティング大手DTZホールディングスの見通しとして伝えた。
　
　DTZによれば2011年末までに償還期限を迎える不動産融資は約4,800億ユーロに達するが、銀
行側は融資額が不動産の担保価値を上回れば借り換えには応じられない。2007年半ばまでの不動産ブームの5年間に銀行が貸し出した資金は1兆8,000億ユーロにも上るが、価格のピーク時に不動産価値の80％以上を融資している場合が多い。しかしその後、不動産価格は欧州大陸で約26％、英国で44％それぞれ下落しており、融資額が物件の価値を上回る借り手も多いと
いう。
　
　借り換えができない場合に銀行は融資や担保物件を処分するか、借り手や第三者の投資家と資金の充当で合意することを迫られる。DTZはこうした不足分が最低でも1,150億ユーロになると見ており、このうち36％に当たる420億ユーロが英国で、スペインが20％、フランスが11％を占める。欧州の不動産市場にとって大きな問題となりそうだ。


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